姫と王子が恋をする物語。



さあ、第一話の始まり始まり。


といっても、この世界には、不思議なことが多すぎるのです。


複雑なものに生まれる気持ちは、熱くて繊細、そして強い。


恋に憧れるあなたなら、一度この世界を覗いてみるのも、いいかもしれません。


時は未知、ある星の下、一つの大国がありました。


9つの光る石から生まれた9つの力。


炎、水、風、緑、雷、音、光、闇


・・・そして、花。


9つの石は、その国のあるひとにぎりの者だけに、魔法の力を与えたのです。


力を持った人間は、それぞれの族をつくりました。


男に強い力が行き渡ったため、戦いが生まれます。


一番強い人間は、その族を引っ張る王子となり、族ごとに戦いあってきたのです。


大国を手に入れるために。


しかしその戦いは、まったく決着がつかないのです。


そこで、ある学者は気がつきました。


「族の王子は、花の姫を手に入れよ。魔力は偉大なものとなり、もっと大きなものを手に入れることができるだろう。」と。


王子たちは尋ねます。


「花の姫とは、だれなのか。」と。


学者は答えるのです。


「満月の夜、彼女の花は実を結ぶ。」


この一言が、恋のゲームの始まりだったのです。


それでは、覗いてみましょう。


ある、一人の少女を。

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