キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
次の日。

俺はミーテをサボったことすら忘れて、
昨日遊んだ女と
話したりしていた。




「ねぇ、また遊ばない?」

猫撫で声で近づいて来る、そいつ。


適当に会話を取り繕う自分。




その光景を、
彼女はどこで見ていたのか。




それとも、誰かに聞いたのか。





今日初めて奏良に会って、最初に交わした言葉は、








「可愛い女の子だったね。」


ってさ。





偽彼女とは言っても
ヤキモチ妬くのか。


なんて軽く考えてたら





次に吐かれた言葉は、







「やっぱり千春はムカつく。」






笑顔で初めてそう言われた。


普通笑顔でそんなこと言わねーだろ。








「ムカつくって何が?


その可愛い女と遊んだこと?」



頭をかきながら聞いてみる。

俺、全然悪びれた様子のかけらもねーな。
なんて、心の中でひとり、苦笑い。




不意に、奏良の声が廊下に響いた。



「そんなことでムカついてたら、キリがない。」






私がムカつくのは、







「笑ってるくせに、笑ってないあんたの笑顔が」






ムカつくの。
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