隣の彼の恋愛事情
「ビールでいいよな?後は適当に頼むぞ。」

「つくねはmustで。」

ここまで来たら開き直るしかない


「はいはい。お前の大好物な」

クスクス笑いながらアイツが答えた。

(そんなこと知ってたんだ)

生ビールが並々つがれた冷えたグラスをお互いに『カチン』とあわせて乾杯する。

ごくごくと喉にビールを流し込むとアイツに引っ張られて早足で歩いていたからか喉がカラカラだったことに気がつく。

「はぁー」

グラスから口を話すと自然と声が出た。

「うまいか?」

そう私を見たアイツはなぜかふわりと微笑んでいた。

それはあのキラースマイルとは違う柔らかい笑顔で、私の胸がドキンと音がなる。

(はぁ、その顔狡い。)

こんなことしてたらいつまでたっても忘れられない。目をそらしてうつむいた。
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