隣の彼の恋愛事情
「もう、逃げませんから」

そう言った私の言葉にアイツの目が一瞬光った気がした。

「絶対だな。もう絶対逃げるなよ」

真剣な目でアイツが私に言う。

これは大切なことだ。きちんと向き合おう。自分の心にも、アイツの気持ちにも。

「―――はい。もう逃げも隠れもしません!」

私は覚悟を決めて、アイツの目を見ながらそう宣言した。

私の言葉を聞いた、あいつは一瞬びっくりした顔になったもののうれしそうに顔をほころばせた。

そして、私の左頬に‘チュ’と音を立てて口づけをした。

「そうこなくっちゃな」

間近でいたずらっ子のような顔で言われて、私の顔は‘ボッ’と音を立てて赤くなった。

「やっぱり逃げてもいいですか?」

「却下」
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