隣の彼の恋愛事情
悪戯な手から、やっと逃げた私はベッドの下に落ちてあったバスローブを羽織ると重い腰と違和感のある下半身を気にしながら、シャワーを浴びた。

バスルームから出ると、洗面台の上には新しいバスタオルとドライヤーが置いてあった。

(こういうところ、よく気がつくよね。優しい)

嬉しさに、にやける顔を鏡にうつしてドライヤーで髪を乾かした。

身支度を整えて、バスルームを出るとコーヒーのいい匂いがしていた。

キッチンに立っている、スエットにTシャツを着た斗馬がこちらにマグカップを差し出した。

ミルクたっぷりのカフェオレ

「お前はブラックダメだっただろ?」

(やっぱり、よく気がつくな)

お礼を言いながらマグカップを受け取り、ソファまで二人で移動した。
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