隣の彼の恋愛事情
神崎が俺のおもちゃになってからは、仕事中もそこそこからかって楽しんだ。

神崎のおかげで難しい契約が取れたり、面倒な仕事が片付いたときなんかは、ちゃんとご褒美として飯についれて行ってやった。

(俺は、下僕にも優しい男なんだ。感謝しろよ)

そう思いながらも、神崎との食事は楽しかった。

大きな口をあけてうまそうに飯を食う姿は、今まで俺の周りにいたのがダイエットばかり気にして飯をまともに食わない女ばかりだったからか新鮮でヒナに餌を与える親鳥にでもなった気がした。

あいつの言う

「おいし~い」

が聞きたくて、それと同時にうかぶ笑顔が見たくて、出てきた料理を神崎の取り皿になみなみと盛り付けた。

神崎との肩肘張らない食事は俺をリラックスさせて、素顔がさらけ出せた。俺の複雑な立場から仕事の話なんかは友人にさえもしたことがなかったが、神崎には素直に色々話せていた。

そんな自分に自分でもびっくりしたが、嫌な気分ではなくむしろなにかが削がれてシンプルな自分になってきている気がした。
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