隣の彼の恋愛事情
「僕の話を聞いていましたか?僕たちの結婚からは会社の利益以外は不幸しか生まれないと申し上げたのですが」

「少なくとも‘私自身’にはこの結婚が必要なのです。」

「それはどういう―――」

「私の言いたいことはすべて申し上げました。父に行ってこの話進めてもらいます」

そう言うと、小さなバックを手にして席を立った。

「ちょっと・・・」

「では、細かい日程は後ほど。さようなら」

有無も言わさない態度に、今はこれ以上何を言っても無駄だと思った俺は、長い黒髪を右手で書き上げて颯爽と出て行く結子さんをため息混じりに見つめた。

(なんだってんだ、どいつもこいつも。)

「清水。スコッチ。一番いいのだして」

飲まないとやってられない。
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