隣の彼の恋愛事情
「どうしたの?いきなり。」
早希にそういわれるのも無理ないか。

「んーなんでもない。」

(まさか、下僕になったなんて言えない。)

私の手元のいあるオムライスがグサグサと私の苛立ちをうけてかわいそうなことになっている。

「しかし、三浦さんって本当に無表情で何考えてるかわかんないよね。なんか暗そうって総務女子の中では有名だよ。」

(お腹ん中は真っ黒な俺様だってバラしたい!)

「なのに、営業成績がいいなんて不思議。」

(確かに仕事はできるんだよね。社長と知り合いとはいえ、社内や取引先には内緒だから裏の手をつかってるってことはないだろうし。)

「世の中には、知らなくていい事がたくさんあるんだよ。」
私はため息混じりに、早希の肩を叩いた。

早希は私の悟ったような態度に首をかしげていた。






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