隣の彼の恋愛事情

私は斗馬をソファへ座らせると、紅茶を準備しにキッチンへ降りた。

そこには母はすでにお茶の準備をしてくれていた。

「お母さん、どうして勝手に部屋まで上げたの?」

文句を言う私に

「あんたのお見舞いに来てくれたんでしょ。別にいいじゃない」

あっけらかんと言われる。

「それに―――」

「それに?」

「あんたの元気のない理由が彼にあるんだったら、彼にしか治せないじゃない」

そう言った母は紅茶を準備して店へと戻っていった。

(お母さんにはかなわないな)

トレイに乗せた紅茶を見ながら、母のおせっかいに少し感謝した。

< 230 / 335 >

この作品をシェア

pagetop