隣の彼の恋愛事情
「仕方ね~な。これからのアルバムは俺との写真ばっかりにしような」

そう優しい目で言われて頭をぐっとひき寄せられて目じりの横にキスを落とされた。

(泣いたのばれちゃったかな?)

私が話すまで何があったか聞かないのは斗馬の優しさだ。今はその優しさに甘えよう。

この斗馬との時間を大切にしなきゃいけない。

「俺の隣にお前がいてくれる限り、お前のことは俺が守ってやるから」

そんな風に思っていてくれていることをわざわざ言葉にしてくれた。

何も聞かないけれど、それでも私を安心させてくれる。

だから私もこれから先、私たち二人がどうなるのか真剣に考えないといけない。

ただ今私が言えることは、私は斗馬が好きということと、斗馬も同じ気持ちでいてくれるということ。それ以上大切なことはないと、私は思っていた。

―――大切なのは二人の気持ちだ―――

このころの私は結子さんの話を軽く考えていたのだと後々気づくのだった。

10月に入りトレンチコートが手放せなくなってきたころ―――その自分の甘さに気付かされるのだった。
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