隣の彼の恋愛事情
あれから、私は仕事だけにはなんとか行くもののそれ以外は自室にこもったままで携帯の電源も落としていた。

見かねた母に無理やりお使いに行かされたのは、あの日から一週間近くもたっていた。


近所のスーパーからの帰り道、夕暮れの児童公園にふらっと立ち寄った。

遊んでいる子供たちも帰宅したのか、どこかさみしい公園のブランコに乗るとゆっくりと漕いだ。

ぼーっと漕いでいると、不意に後ろからブランコを押されて揺れが激しくなる。

振り返るとそこにはチィ兄が立っていた。

「こんなところで何やってんの?」

打ち合わせの帰りなのか、今日はきちんとスーツ姿だったが児童公園とのミスマッチになんだか笑えた。

ゆっくりと隣のブランコに腰を下ろした、チィ兄は窮屈そうに長い脚を持て余していた。

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