隣の彼の恋愛事情
一人で壁際に居ると、誰かに肩を叩かれた。

振り向くとそこには

「山本社長!」

知った顔を見つけた私は、心の底から笑顔だったに違いない。

「神崎さんも来てたの?会社の用事じゃなさそうだけど」

そう不思議そうに聞いてくる。

「ええ、野暮用?でもないんですけど・・・」

なんと言って説明すればいいか悩んで、ごまかす。

いつも通り、雑談を続けていると

「痛たたた・・」

そう言って、膝をさすりながら顔をしかめる。

「あ、膝の調子悪いんですか?」

確か一度転んで以来、気候の影響をうけて膝がときどき痛むと言っていたことを思い出す。

「たいしたことないんだけどね。歳とるってやだね」

なんて、痛いのを我慢しながら私に気を使って笑いかける。

「あの、椅子準備してもらいますね」

そう言って私は、ホテルの人を探して、椅子と飲み物を準備してもらい、山本社長のもとに向かった。
< 310 / 335 >

この作品をシェア

pagetop