隣の彼の恋愛事情
少しの沈黙が何十分にも感じていたとき

「―――あなた、そんなにいじめなくてもいいんじゃない」

いつの間にか部屋に入ってきていた一人の女性か声をあげた。

にっこりとほほ笑むその女性は

「あ、あの!」

思わず大きな声を出してしまった私は急いで口で手を押さえた。

その女性がくすくすと笑いながら、斗馬のお父様の隣に腰掛け、その手を重ねた。

「少し意地悪がすぎるんじゃありません?あなた」

あなた?と言うことは・・・

「はじめまして、ではないわね。斗馬の母です。よろしくね」

そう花のように二コリと上品に笑う女性はまぎれもなく店頭で『私に用事がある』と言っていた女性だった。
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