それでも君が好きだよ
「ねぇ、聞いた~?番場くんって
結愛ちゃんをぶったんだって!!」
「ひっどーい!!最低!!」
「俺、1人で寂しそうに帰る北野を見た。
左頬を押さえて痛そうにしてたな…。」
「うわっ…全部本当だったのかよ!!」
という俺を嘲笑う声…。
俺が北野をぶったのは事実だ。
なにも言い返す言葉なんて浮かばない。
俺は知らないうちに皆に囲まれていた。
だけど、俺の前に見えた震える
小さな背中が大きな光を照らした。
「番場くんはっ…理由もなく
人を傷つける人じゃないっ!!」
その声が誰のものかすぐに分かった。