椿ノ華

「それにしても、腹違いとはいえ兄妹だからね…

世間の目も厳しいだろうが、幸いお前達は今まで表舞台に出なかった。

若くして結婚していたから兄妹として誤魔化していた、

という言い訳も通じるだろう」

「…あ、の…？」

「だけど…子供は勧められない。血が濃くなってしまう。

その時悲しむのはお前達だ」

「…そう、ですね。仕方ないです」


葵は、そんな風に説明していたのかと。

それなら話を合わせなければいけない、そう思った。


「何、養子でも取ればいいさ。珍しい事じゃない。

葵と君の優れた血が受け継がれないのは惜しいが、

可哀想な子供を引き取って育てる…悪くないと思わないか？」

「はい…」