椿ノ華



「…行きましたよ。喜んでお誘い受けました」

「…そっか。じゃあ次からはそうするね」

「ふふ、はい」

「本当は家に行こうか悩んだんだよ?でもさー…」

「?」


「葵に邪魔されそうで」という言葉は、壱の口の中で消えた。


「行く場所、決めてるんだ」

「そうなんですか?」

「うん。君は何も気にしないで僕のエスコートに任せてね」

「はい、分かりました」


素直に頷いた。



< 75 / 243 >

この作品をシェア

pagetop