椿ノ華



顔を赤くしていた先程とは一変し、饒舌に褒め言葉を並べる壱。

恥ずかしくなり、


「…あ、ありがとうございます…」


消え入りそうな声で言えば、手で顔を覆い隠した。


「ああ、これ買うよ。彼女がそのまま着ていくから。

合わせる靴も選んでくれる?」

「かしこまりました」

「え、ええっ?!壱さん、私こんな高価な服…!」

「いいんだよ、僕がプレゼントしたいんだから」

「え…ええ、でも…」

「女性は黙って男の厚意に甘えておけばいいよ、ね」

「…はい、ありがとうございます…」



< 78 / 243 >

この作品をシェア

pagetop