さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
カーテンを開けなくても、マイケルが今どんな顔をしているか、分かる。



何を思っているのかも、簡単に。









小さな咳が響き続ける部屋を、私はゆっくり後にした。










…もしかして、と思ったけれど言わずにおいた。






あえて私が言わなくても本人だって気付いているはずだ。






誰よりも喉を大事にしてきたマイケルが、喉から風邪を引くわけがない。














――――変声、



声のつぶれ、声変わり。










私の可愛いマイケルにも、とうとうその波が訪れてしまったのだろう。






避けられない、



越えられない、



のまれるしかない、つらい波が。


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