さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
――――高らかに伸びる、マイケルの声を思い出す。






光のようにどこまでも、空を目指してまっすぐに伸びていく。










あの声が永遠に失われてしまうのかと思うと、胸が熱くなった。










他の男の子の変声とは確実に違う。



ボーイソプラノを育てるロバートの家に拾われ、ソプラノで歌うということにずっと触れてきたマイケルだ。






チャドやクリスや、聖歌隊のたくさんの先輩たちがどんどん隊を抜けていった。





いつもその背中を、寂しそうに見つめていたマイケル。



変声の怖さを、痛いほど知っているだろう。










そのショックは、私には計り知れない。

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