さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
「…耳から聞こえてくる自分の声が、気持ち悪い」






「あはは、ホントに変じゃないよ。

…マイケルの声だもん。

大好きだよ」










「……」






「大好き」














「…ホント?」






「ホントだよ」














ホントだよ。






少し大人になった今なら、心からそう思って言える。






4年前、



チャドが変声した時は、ただ悲しくて仕様がないだけだった。






大人になってしまったんだと、

遠い存在になってしまったんだと、ただただそう思った。










今改めてチャドの声を聞けば、素敵な声になったねと、きちんとそう思えるのだろう。









あの時、私はまだ今よりもずっと子供だったから、



色々な大切なことに、気付いてあげられなかったんだ。






きっと傷ついていたのだろう、チャドの心にも――――










そのことが今、とても悲しい。






「身長も越されちゃったし、

こうやってあっという間に、マイケルも大人になっちゃうんだろうな」






「大人、かぁ」










「……」










「…お姉ちゃん」






「…ん?」










「僕の前の声、

忘れないでね」










マイケルのまっすぐな瞳から、目をそらせなかった。





「忘れないでね」










マイケルの、



ソプラノの声――――





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