夜猫'A cat chooses xx.'



「姫の名前か?」


大鬼、と呼ばれた彼は訝しげに私たちを見る。


「あぁ……」



『貴方の名前は?』




「は?」




…………魅憂とおんなじ様な反応するんだね。




苦笑しながら大鬼、と呼ばれた人にもう一度名前、と言って催促する。



「…………片桐 大鬼-Katagiri Daiki-」





大鬼ににっこり笑っておいた『夢羽だよ』とだけ言って目を伏せた。





「…………変な奴。」




ボソッと呟いた大鬼の言葉は私には聞こえなかったけど、魅憂は目を見開いて大鬼を直視していた。




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