【続】赤い糸のその先は…。

「でも、原因はそこじゃないわよ。きっと。」


じゃあ、何が原因なんだ?


「単純に私に同情しただけだと思う。」


同情?


って事は...どっちにしても、俺は悪者なんだよな?


麗子はタバコを吹かしながら窓の外を見下ろして話し出した。


「大阪で私を拒絶した幸太郎が忘れられなかった。
何で、私じゃ駄目なの?って、しばらくは荒れた生活だったわ。
来る物拒まずの幸太郎だったけど、
隣に居ることを許してくれていたのは私だけだったから、
期待しちゃったのよね。
私に愛情を向けてくれるんじゃないかって。
馬鹿よねぇ。そしたら...
あなたが夢中になっている子が本社にいるって噂で聞いたの。
どんな子か見てみたくて。
つい、大人げ無いことをしてしまったわ。
ごめんなさいね醜い女で。でも、彼女だったら分かる気がする。
あなたが溺愛して大事にするの。」


話し終わった後の彼女の表情は、
吹っ切れたような...昔のままの美しい笑顔だった。


だから、俺も素直に彼女に謝罪した。
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