鈍感ガールと偽王子
「……なんなんだよ…。急に連絡寄越さなくなったと思ったら、柄にもなく合コンなんか参加してるし…」
外に出ると、ぼそりとそう言って椎葉くんはあたしを掴んでいた手を離した。
まだ雪は舞っていて、椎葉くんのコートに結晶が落ちる。
冷たい風が吹き付けてくる。
「……っ」
思わず、寒さに身体が竦んだ。
「……どこか入るか」
そんなあたしに気付いて、椎葉くんは歩き出そうとする。
あたしは思わずそのコートの裾を掴んで引き止めていた。
「……なんで、来たの?」
寒いとか、今はそんなことどうでもいい。
今。
今じゃなきゃきっと、勇気が出ない。
ちゃんと、話す、勇気が。