鈍感ガールと偽王子


「……美結?」


「里奈、こんな時間にごめんね。今、大丈夫?」



里奈はコクリと頷いた。



「入って。外、寒かったでしょ?」



里奈はそう言ってドアを開けてあたしを部屋に入れてくれようとした。



泣きそうな顔で、笑って。



そんな顔にあたしまで泣きたくなって、気付けばあたしは里奈に抱きついていた。



ぎゅっ、と強く腕に力を入れて。



「美結?」



「ごめんね里奈…。ほんとにごめん…!あたし、あんなこと思ってないよ!嫉妬しちゃったの…。里奈のこと、カケルくんにとられちゃったみたいで…」



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