恋するキミの、愛しい秘めごと
「それでもいいから側にいたいって言ったら、困ったように笑って言われたの。“お互い逃げるのはやめよう”って」
「……」
「初めは“何を勝手なことばっかり言って!!”って思ってたんだけど。おかげでもう一度、シュンと話をしようと思えた」
そう言って目の前で笑う篠塚さんは、今まで見たどの顔よりも優しくて綺麗。
それから篠塚さんは、榊原さんに連絡をして……。
人の目ばかりを気にして変わっていく榊原さんに、不安を抱いていたこと。
ただの同期だった自分とカンちゃんの仲を勘ぐる榊原さんに信じて貰えず、辛かったこと。
そしていつの間にか、自分の味方がカンちゃん以外にいないと思うようになって――恋にも似た感情を抱くようになっていたこと。
自分が抱いていたその気持ちの全てを、榊原さんに話した。
「そしたら、よく分からないけどすっごくスッキリしてね。私も完治も、頑張るところを間違えてたってよく分かったの」
フッと息を吐き出し、一度返した白い封筒を私の前に静かに差し出すと、言ったんだ。
「あなたも、間違えちゃだめ。愛とか恋とかって、結局はタイミングでしょ。好き合っていても、それが合わないとだめなの」
「ね?」と俯く私の頭をポンポンと撫でる彼女の手の動きは、どこかカンちゃんを思い出させて……。
「冴子、泣かしてどうするの」
「は? 私じゃないから」
「いや、普通に冴子でしょ」
目の前で言い合いを始めた2人を見ながら、思わず笑ってしまった。
そして改めて私に向き直り、
「直接謝ろうにも、俺がそこに行ったらめでたい席がぶち壊しだし。だから、日和にお願いしたいんだ」
そう言って笑った榊原さんに、泣き笑を浮かべながら頷いた。