お嬢様の秘密Ⅱ
中3になり夏休み…


帰省した私たちは私の家でのんびりしていた。


えりーの家には私は一度も行ったことないな、そういえば。


「りぃ聞いて？今お父様から報告があって、私、婚約したみたいなの。」


「え！？誰と！？」


突然エリーが小声でつぶやいた。


「高校から留学から帰ってきて編入するみたいなんだけど、秋本大樹様！！」


廊下を通っていたメイドさんが一瞬こっちを見たけど大丈夫みたい。



休み明け。


「恵梨香様？婚約されたんですって？」

「大樹様って本当かしら？」

「大樹様といえば中学上がる前に留学されてましたよね？」


私たちに詰め寄ってきた女子たち。


その目はとても鋭くきついものがあった。


「何よ、あなたみたいな奴に…」

「ファンクラブとしては許せない事実だわ。」


エリーの婚約話は学校が始まった日に高貴な家の人のみに放送されているニュースに流れていたみたい。


エリーの家は位を隠しているのでみんなほぼ庶民だと思っているみたい。


エリーは少し困った顔をしただけだったが、本心はすごく悲しんでるのが私だけには分かった。


でも私は何もしてあげられなかった。
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