シンデレラ契約
そこにはブルーの瞳にまだ幼さが残った少年が立っていた。
「はじめまして、僕の婚約者さん」
ニコリと笑った顔には、父親チャールズには少しも似ていなかった。
(懐かしい…)
なぜかそう感じた詩織の頬には涙が伝っ
ていた。
「どうして泣いているの?ケイン‼どうしよう?泣かしちゃった…」
黒人のボディガードらしき人に必死に訴えるウィリアム
「フッ」
その子どもみたいな仕草に思わず詩織は笑ってしまった。
「アッ、笑った。ねぇ、笑ったよ。ケイン」
「はい、ウィリアム様」
嬉しそうに言うウィリアムとは対象的に冷静に答えるケイン
「はじめまして、僕はウィリアム・ターナー。君の未来の旦那。って言っても想像つかないかな?君の名前は」
「詩織…早坂詩織」
「詩織…綺麗な名前だね」
その天使のような笑顔に暗闇のどん底にいた私は救われた。