シンデレラ契約

そこにはブルーの瞳にまだ幼さが残った少年が立っていた。

「はじめまして、僕の婚約者さん」
ニコリと笑った顔には、父親チャールズには少しも似ていなかった。

(懐かしい…)
なぜかそう感じた詩織の頬には涙が伝っ
ていた。

「どうして泣いているの?ケイン‼どうしよう?泣かしちゃった…」

黒人のボディガードらしき人に必死に訴えるウィリアム

「フッ」

その子どもみたいな仕草に思わず詩織は笑ってしまった。

「アッ、笑った。ねぇ、笑ったよ。ケイン」

「はい、ウィリアム様」

嬉しそうに言うウィリアムとは対象的に冷静に答えるケイン

「はじめまして、僕はウィリアム・ターナー。君の未来の旦那。って言っても想像つかないかな?君の名前は」

「詩織…早坂詩織」

「詩織…綺麗な名前だね」

その天使のような笑顔に暗闇のどん底にいた私は救われた。



< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop