スーツを着た悪魔【完結】
大丈夫かなぁ……
足元がおぼつかない友人が心配になったまゆは、ソファーを立ちトイレへと向かう。
けれどどのトイレを見ても、彼女がいる気配はなかった。
まさかどこかで倒れてる?
周囲をきょろきょろしながら建物の中をうろうろしていると――
「そういうつもりはなかったんだけど……」
たしなめるような、あやすような、男の人の声が聞こえてきた。
誰?
覗き見るつもりはなかったのだけれど、その声があまりにも魅力的で、思わず立ち止まり壁の奥を覗き込む。
「――ッ……」
思わず息をのんでしまった。
なぜならそこにいたのは深青さんだったから――。