スーツを着た悪魔【完結】

片手に最新式のアイフォンを持ち、耳に押し当て壁にもたれるように立っている豪徳寺深青。

とても美しい横顔だった。

背後にある窓からは東京の夜景が一望でき、まるで彼のためにあつらえた額縁のようだった。


柔らかい素材の黒と白の格子のシャツの上に、薄手のニット、細身のカーゴパンツ姿の彼は、どこから見ても穏やかで完璧な御曹司にしか見えず

まゆは状況を忘れ、一瞬彼に見惚れてしまっていた――。



「――だから……僕は、君のことを嫌いってわけじゃなくて……ああ、困ったな。そういうつもりはないんですけど」



もしかして……女性関係の話だろうか。


そりゃ深青さんだってそういう人がいて当然だとは思うけど――

なんだか様子が変だ。

見てはいけないものを見た気がする。



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