スーツを着た悪魔【完結】
そうやって考え込んでいるまゆを見つめ――
頼景はさらりと
「なるほどね……深青の『子ウサギちゃん』はまるでペットだな」
と口にした。
「え……?」
頼景の言葉がはっきりと聞き取れず、首を傾げるまゆだったが
「いえ、深青のことどうぞよろしくお願いします」
「――はい」
にっこりと微笑まれて、うなずくことしか出来なかった。
――――……
「じゃあ、また。まゆさん、お会いできてよかったです」
「私もです。おやすみなさい」
「おやすみ、ヨリ」
レストランの前で、三人は別れる。
深青はまゆの肩を抱いたまま、タクシーに乗り込む頼景を上機嫌に見送った。
そしてまゆの額に唇を寄せながら甘くささやく。
「今日はホテルに泊まろう。部屋まで帰るの、面倒だし」