スーツを着た悪魔【完結】
勿論そんな風に拒絶されると思っていなかった深青は、目を丸くしてまゆを見つめる。
まゆはハッとして、すぐに深青に背中を向け、ブラウスのボタンを留めながら叫んでいた。
「いやなの!」
「――まゆ……」
「いや……っ……いや、いやっ……!」
指先が震えて、うまくボタンが留まらない。
ポタポタと、ブラウスに涙が落ちてにじむ。
やっぱり駄目だ……。
深青のことが好きだから余計……無理だ。
それまで感じていた甘い気持ちも、体を熱くしていた思いも、萎れて消えてしまった。
「――ごめん……」
絶望的な気分になったまゆは、消え入るほど小さな声で謝罪し、手の甲で涙をぬぐい、ベッドから降りてバッグをつかむ。
「まゆ!?」
慌てたように深青は立ち上がり、まゆの前へと回り込んだ。