スーツを着た悪魔【完結】
「あっ……」
凍り付くまゆ。
「君」
切れ長の瞳を丸くする深青が驚いたのは一瞬だった。
彼の瞳から、巣穴から出てきたウサギを発見した肉食獣のような光はすぐに消えてしまった。
「サークルの子ですよね」
そしてすぐに、その表情をいつもの柔和な顔立ちに変える。
「もしかして、今のを聞かれてしまったのかな」
「あ、あの……」
足が震えた。
心臓が口から飛び出しそうだった。
彼の透明で済んだ瞳は、笑っているけど笑っていない。
逃げたい。
本能がそう告げている。