スーツを着た悪魔【完結】
「まゆ……まゆ……」
深青の大きな手がまゆの頬を包み込み、口づけながら、熱い吐息の合間に名前を呼ぶ。
ぶつけられる激しい情熱の嵐に巻き込まれながら、まゆからはもう逃げようという意識が飛んでいた。
まゆ……。
激しく胸を上下させながら、陶然と自分を見上げるまゆに、深青は目眩を覚えていた。
まゆのほっそりした体を抱きしめていると、自分の中の何かが壊れそうな気がした。
赤くて柔らかい唇に、永遠に口づけていたかった。
そして可愛いと思うと同時に、こんな顔をするくせに、自分から逃げたまゆが本気で憎らしくなってくるのも事実だった。
ここ数日、まゆのことばかり考えていて、まともに眠れなかった。
焦れて、苦しくて――
女は可愛がるものなんて本気で信じていた自分を呪いたくなる。
ああ、そうだ。俺は本当にバカだった……。