スーツを着た悪魔【完結】
彼と深青がいつも連れ立っているところを想像すると、多くの女性が放っておかないだろうと感じていた。
そんな風に他愛もない雑談をして、まゆのミルクティが半分に減った頃――
頼景はカップを口に運びながら、一段低い声でささやいた。
「――以前、ご両親は亡くなられたと聞きましたが」
「あ……はい」
とうとう来た。
眼鏡の奥の静かな瞳に、心臓がドキンと跳ねる。
「それで……失礼なのは重々承知していますが」
「あのっ……」
「――」
頼景の言葉をさえぎるまゆ。
「もしかして、私のことをお調べになったんでしょうか……」
おそるおそる、ずっと考えていたことを口にした。
「――ええ」