スーツを着た悪魔【完結】

彼と深青がいつも連れ立っているところを想像すると、多くの女性が放っておかないだろうと感じていた。


そんな風に他愛もない雑談をして、まゆのミルクティが半分に減った頃――

頼景はカップを口に運びながら、一段低い声でささやいた。



「――以前、ご両親は亡くなられたと聞きましたが」

「あ……はい」



とうとう来た。

眼鏡の奥の静かな瞳に、心臓がドキンと跳ねる。



「それで……失礼なのは重々承知していますが」

「あのっ……」

「――」



頼景の言葉をさえぎるまゆ。



「もしかして、私のことをお調べになったんでしょうか……」



おそるおそる、ずっと考えていたことを口にした。



「――ええ」



< 253 / 569 >

この作品をシェア

pagetop