スーツを着た悪魔【完結】
人生に例外などない……。
「ただ、わかっていただきたいのは、あなた自身がどうのという問題ではありません。あくまでもあいつの家が特殊で……」
「いいえ」
「ん?」
「私自身にも、問題はありますから」
うつむいたまま、どこか投げやりに聞こえる声で、まゆはつぶやいた。
「――」
妙にはっきりと言われて、頼景はなんと返事をしていいかわからなくなった。
自分が豪徳寺のツテをたどって調べさせたことに、彼女自身の問題はなかったはずだが……。
「澤田さん、あなたのご両親は確かに――」
「やめてください!」
それまで萎れかけの花のようだったまゆだったが、その一瞬、燃えるような目で頼景を見据えた。
「調べたのならご存じでしょう? もう……思い出させないで……!」