スーツを着た悪魔【完結】
申し訳ないな。悠ちゃんはこんなに私のことを心配してくれているのに……。
私が男の人を好きになってしまったことを、悠ちゃんは知らない。
打ち明ければきっと呆れられるだろう。
どうせ私は幸せになんか、なれっこないというのに。
「――ありがとう、悠ちゃん」
さすがに世話になるつもりはないけれど、家族と言われるのはやはり嬉しい。
まゆの感謝の言葉に、悠馬はいつものように穏やかな微笑みを浮かべる。
それから、悠馬が飲み足りないということで、そのままブルーヘブンホテルのラウンジへと移動する。
金曜の夜らしく、混んでいる。
二人は奥のテーブル席に座り、悠馬はウイスキーを、まゆはフルーツがたくさん入ったオリジナルカクテルを頼む。
「――ねえ、もう私の話はいいでしょう?」