スーツを着た悪魔【完結】

何年たっても、家族は相変わらずまゆには冷たく当たっている。


そのころ悠馬は外資系の証券会社に入社し、帰国するのは一年に一、二度程度だったが――

妹のメミは、兄がまゆに甘いことが気に入らないのか、同性ゆえの嫉妬なのか、影でねちねちとまゆを泣かせているらしい。


と言っても、まゆは苛められていることなど悠馬に言いつけたりしないので、これは悠馬の観察の結果なのだが……。

まゆが夜中こっそりとセーラー服を繕ったりする姿を見て、すぐにピンと来た。






「メミ。今、いいかい」

「あ、お兄ちゃん!」



深夜、ドアをノックするとメミが喜んで顔を出す。

部屋の中に入ると同時に、悠馬は大きな手で自分を待ちわびているメミの口をふさいだ。



「メミ……お前、中学校でまゆを苛めてるんだろう?」

「っ……!」


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