スーツを着た悪魔【完結】
「そうだね……例えばまゆの両親のこと、触れ回っているとか?」
メミは気押されたように体を緊張させた。
案の定だ。
悠馬の瞳がすうっと細くなる。
「そんな子供っぽい真似はやめなさい。わかった?」
「っ……」
激しく首を縦に振るうなずくメミに、
「いい子だ」
悠馬はニッコリと笑って、手を離す。
そしてホッとしたように気を緩める妹の頭をよしよしと撫でた。
当分はこれで大人しくなるろうだろうが――
嫉妬という感情はこんなことで消せやしないだろう。
メミはまゆを苛め続けるだろうし、悪しざまに罵り、邪険にするだろう。
だがそれでいい。
傷つけば傷つくほど、まゆは自分好みに美しくなるのだから。
それから妹の部屋を出て、今度は一階の端にあるまゆの部屋へと向かった。