スーツを着た悪魔【完結】

「つまらない人生なんかポイしちゃって~♪」

「――はい……」



赤の他人に「つまらない」と言われる筋合いなどない、と思いながら、そんなことを口に出せるタイプでもないまゆは、仕方なくワインに口を付ける。



「あ……」



しぶしぶ口をつけたワインは、驚くほど芳醇だった。

一気で飲み干してしまうなんて、もったいない。


隣で煽る男は無視して、ゆっくりと赤いワインを口に含む。最後の一口まで、楽しんだ。



「おいしかった。ごちそう様でした」



とてもいい気分になったまゆは、にっこりと笑ってグラスをテーブルに置く。



「なにそれ、つまんないの!」



< 28 / 569 >

この作品をシェア

pagetop