スーツを着た悪魔【完結】
カラオケの部屋は薄暗い。二人が会話をしていても、特におかしいことはない。
一瞬緊張したまゆだったが、ドキドキしながら深青の顔を見つめ返す。
「な、に?」
「15分くらいしたら俺も出るから下で待ってろ」
「え?」
「終電。間に合わなくなるだろ。家まで送るから」
「あ……うん。ありがとう」
まゆの返事を聞いた深青は、また距離を取る。
家まで送るって……
深青の言葉に、まゆの心臓は、また高鳴り始めたが、深青に言われたことを思い出し、ちょうど曲が途切れたところで立ち上り、周囲に断ってからカラオケルームを出ることにした。
本当に深青も来るんだろうか……。
不安になりながらも受付のソファーに座っていると、15分もせずに深青が降りてくるのが見える。