スーツを着た悪魔【完結】
「こうやって普通に会話するのっていつぶりだっけ……」
「シャンテで、お前が逃げてからぶり」
「あ……」
深青の指摘に頬がカッと熱くなった。
逃げてから……そうだよね。
深青から「俺は生きる理由にはならないか。おまえの幸せの理由にはなれない?」って言われて。
そして結局「選ぶのはお前だ」って――。
そう。だから私は選ばずに逃げたんだ。
方法を知らないから。
深青にどうやって向き合ったらいいか、わからないから……。
「別に、気にしてねえし」
「――」
「してないよ」
深青が優しければ優しいほど、混乱する。