スーツを着た悪魔【完結】

こうやって、手を握られてもまだわからない。

なんて言ったらいいのか、どういえば彼を不愉快な思いをさせないのか。


好かれたら困るけど、嫌われたくないと思う自分がいて……


深青は、私が逃げた時点でもう私を諦めたのかもしれないって思ってたのに。どうしたらいいんだろう。

嬉しいって思う気持ちと、苦しいって気持ちがせめぎ合って、息がうまく出来ない。



突如沸き起こった不思議な気持ちに、胸を締め付けられながら、まゆは深青を見上げる。



「ごめんなさい」



そして出てきたのは、結局どうとでもとれる謝罪の言葉で。


深青からしたら、そのごめんなさいの意味をもっと深く知りたかったのだが――

まゆがひどく混乱しているのがなんとなく伝わってきて、首を横に振るだけだった。



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