スーツを着た悪魔【完結】
慌てて深青のあとを追いかけたが、深青は片手でコンビニのビニール袋を持ち、またもう一方の手でまゆの手をつかみ、しっかりと繋いでしまった。
「小銭だろ。いいよ」
いいよって……。
「小銭でもなんでも、いやなのっ!」
「ああ……じゃあいつか貰うことにする」
そういう深青の表情からは、その『いつか』は永遠に訪れないことが伝わってきた。
「いつかって、絶対受け取らないくせに……!」
「なら素直に受け取れよ。まゆが腹減らしてるかと思うと、心臓に悪いんだ」
繋いだ手を引き寄せながら、深青が笑う。
「もうっ……」
腹を立てながらも、深青の言葉に温かみを感じる。