スーツを着た悪魔【完結】
そりゃひどいこともするし、口に出すけれど、深青という人は基本、優しい人なのだ。
今まで何度も感じていたことだけれど、改めてそのことを強く実感したまゆは、一層、深青を眩しく見上げた。
だから、こんな人に私はふさわしくないと、思い知らされてしまうんだ。
それから間もなくして、二人はまゆの住むアパートに着く。
「深青、ありがとう。あそこ……二階だから」
「ああ……」
深青がかすかに目を細めながら、まゆが短大時代から住む小さなアパートを見上げた。
マジで?
あれ、集合住宅だよな?
あれじゃまるで俺んちの――
「――私の部屋、深青の飼ってる犬の犬小屋より、狭いと思うよ」
「な、何だよ、見たことあんのかよ!?」