スーツを着た悪魔【完結】
「俺を見ろよ」
「――」
恐る恐る顔を上げると、深青が燃えるような熱い瞳で自分を見つめていることに気付く。
そんなに見つめられると穴が開きそうで、別の意味で怖くなる。
徐々に距離を縮めて、鼻先が触れ……
そのまま吸い寄せられるように、お互いの唇が重なる。
「んっ……」
身もだえするまゆ。けれど深青は止まらない。
下唇を割り、舌をすべり込ませ、深く口づけながら、まゆのしなやかな体を手のひらでなぞる。
久しぶりに深青に抱きしめられて、優しく触れられる。
むせかえるようなすみれの香りに包まれて、気が遠くなる。
足が震えてうまく立てない。まるで雲の上に立っているみたいだ。