スーツを着た悪魔【完結】

「――」

「だけど約束する。これからは二度と、誰に対しても不誠実なことはしない」



だけどそれは嫌われたくないとかそういうんでもなく。

むしろ相変わらず他人にどう思われてもいいのだが――

ただ、まゆにガッカリされるような男でいたくないという、それだけだった。



深青は一呼吸置いてから、まゆに顔を近づける。



「ごめんな、まゆ。おまえの大事なファーストキスも、その次も、その次も、全部俺で……」

「……っ」



甘さをにじませた深青の言葉に、まゆの瞳が揺れる。



「でも、これから先も、全部俺だから」

「もうっ……」



その瞬間、まゆの肩からほんの少し力が抜ける。
頬に赤みが増す。


まゆはどこか安心したように目を閉じ、深青の肩に頭を寄せた。



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