スーツを着た悪魔【完結】

そしてできたのは――きゅうりとわかめの酢の物、ねぎ、みょうが、大根おろしがたっぷり乗った冷やしうどんという、シンプルなメニューだった。



「うまそう……」

「昨日はごちそうばっかりだったから。少し胃を休めたほうがいいと思って。お酢は疲れがとれるっていうし」



感心する深青に、まゆは少し恥ずかしそうに俯きつつ、料理を小さなちゃぶ台の上に並べる。

自分の好きなメニューだったのだけれど、正直深青の口に合うのか、不安だった。



「着替えてくるから。先に食べてて?」



なんだか妙に恥ずかしくなったまゆは、クローゼットから洋服を取りだし、バスルームへと向かう。


別に今着替えなくてもいいのだけれど、深青が自分の料理をどんなふうに食べるのか、想像するだけで緊張してしまうのだ。

まゆが時間をかけてラルフローレンの薄手のトレーナーにベージュのジャージ素材の細身のパンツ姿に着替え戻ってくると、深青は手を付けずに待っていた。




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