スーツを着た悪魔【完結】
小さなちゃぶ台で向かい合った二人の間には、明るい時間が流れていた。
深青はパクパクと食べすすめ、そしてまゆが恥ずかしがるくらい「うまい、死ぬほどうまい」と褒め称えてくれるので、まゆはかえって恐縮するくらいだった。
「もう、褒めすぎよ」
「そんなことない。あー、うまかった。ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
遊園地のお弁当のときもそうだったけれど、深青はすごくおいしそうに食べてくれるし、おいしいって言ってくれる。
嬉しいな……。
まゆはお茶を淹れながら、正面に座って満足そうな顔をしている深青を眺める。
もうすでに彼がここに来た時のような違和感は消えていた。
質素な部屋も、恥ずかしいとも思わなかった。
「じゃあ食器は俺が洗う」
さっさと食器を片手に持ち立ち上がる深青。