スーツを着た悪魔【完結】

「まゆ」



名前を呼んで、抱きしめて。好きだとささやいて。唇を重ねると、まゆは切なげに息を漏らす。

深青がおそるおそる唇を吸い舌を差し込むと、まゆもまた震えながら舌を絡ませてきた。


体が燃えるように熱い。
心臓が早鐘のように鼓動を打ち始める。


薄明りの下、自分を濡れたような漆黒の瞳で見上げてるまゆが愛おしくて、苦しい。



一度そういう雰囲気になった時に激しく拒絶されてから、本気でまゆを抱こうとしたことは一度もない。


今日だってそんなことは考えていなかったのだが――

薄いパジャマの下のまゆの胸が上下しているのを感じて、気が変になりそうなくらい興奮している自分がいた。



「俺が、怖いか……?」

「――」



まゆは無言で、首を振る。


怖くなんかない。
怖いのはいつだって自分だ。

深青じゃない……。




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