スーツを着た悪魔【完結】
苦笑するまゆが振り返ると、
「まゆ」
どこか真剣な表情で、自分を見つめる深青と目があった。
そのあまりにも真摯な瞳に、まゆは魅入られるように黙り込む。
すると彼は、まゆの頬にかかる髪をかきわけながら、ゆっくりと口を開く。
「少し、休もう。大したことはできないかもしれないけど、俺からのプレゼントだ」
「――ありがとう」
気を緩めたらまた泣いてしまいそうで、うつむいたまゆは甘えるように深青の胸に頬を押し付けた。
たいしたことはできないなんて、そんなはずはない。
深青が側にいてくれること。
まゆには十分すぎる贈り物だった。